前祝いで願いを叶える予祝

予祝とは「よしゅく」と読み、これから起こるであろう成功を今お祝いする事です。

つまり前祝いというわけですが予祝と通常の前祝いの違いはただ1つ、願いや夢を叶えるためのおまじないであるかないかに尽きます。

そもそも予祝は古代日本で豊作や多産を願って行われてきた呪術的な儀礼です。

農作が現代よりも重要だった時代、予祝は1月15日を中心とした正月行事を終わりとする時期の小正月に行われていた事が多かったと伝えられています。

農耕の成功を祈って人々は小正月になると田植えをする振りをしたり害獣を追い払って畑を守る仕草をしたり等、これから起こるだろう1年間の農耕及び豊作に追われる作業の姿を模擬的にしていたそうです。

ある意味仕事始めの儀礼とも言えますが、その意味合いは「あらかじめ成功を期待し、それを思い描けばその通りの結果が得られる」という民俗的な信仰心が強いと言えます。

余談ですが花見や盆踊りも稲が実る秋の収穫を願って、桜や踊りが稲や農作業に見立てられたという説があるそうです。

自分が成功したい事柄に対して、「叶う」というイメージを強くイメージするところから始まります。

要するに「強く祈る」というわけですが、イメージする事が苦手な人は紙に文字やイラストで描く事も良いそうです。

イメージするという行為は簡単ですが、同時に侮ってはいけない事でもあります。

例えばスポーツ選手は自分の技術を成功に繋げるために少しでもイメージトレーニングするのは当たり前ですし、同じく願掛けでありながら正反対な意味を持つ呪いでは呪いたい人を思い浮かべて強く「不幸になれ」と思えば実現すると言われています。

いずれにしても想像するというのは思っている以上に人に影響をもたらすというわけです。

それから実現した後の事を想像して体で表現する事も推奨されます。

願いが叶った瞬間のガッツポーズや歓声などが挙げられますが、体だけではなく成功の証を作る事も予祝をした人が多くやっている事です。例を挙げるならビデオレターやインタビューなどです。

予祝の効果は夢を叶える事ですが「夢を引き寄せる効果」とも言われています。

実現したい事のために予めお祝いをして奇跡を引き寄せるという意味合いですが、実際のところは喜びを分かち合ってエネルギーを得る事だそうです。

元々豊作という集団の成功を始まりとしている予祝は自分以外の誰かの成功を願うケースほど実現しやすいとされています。

その理由も多くの著名人によって明らかとなっており、曰く「成功した人を祝う事でその人の喜びが自分のところにやってきて、自分の喜びになる」そうです。

実際に予祝の効果を実感した人の多くは部下や憧れの選手など自分以外の誰かのために行った事が確認できます。

しかし何よりの予祝の効果はお祝いする事で元気になる事です。

人間関係などストレスが多い現代では元気になる手段が限られています。

けれど飲酒や豪華な食べ物など皆が集まって騒ぐ宴といった分かりやすいお祝いのように、活気ある祝い事は楽しいものです。

夢を実現する事も大切ですが元気になる事もまた予祝の効果であり目的であると断言できます。